「ラスト・オブ・アス パート2」クリア後の感想・レビュー

ゲームレビュー

「The Last of Us Part II」6/25にクリアしました。

本当にクリアしたのかと思う人もいるでしょうからトロフィーの画像でもアップしておきます。

この記事にはわずかなネタバレが含まれていますが、物語上重要なネタバレは伏せてあります。

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『プレイするのを躊躇う登場人物を操作させる』という稀有な試み

ラストオブアスパート2の主人公はエリーですが、ゲームの中盤からアビーというキャラクターを操作します。ちょっとではなく、非常に長い時間アビーをプレイすることになります。

そしてこのアビーですが、エリーの復讐の旅の目的です。
つまり、エリーが復讐しようとしている敵をプレイヤーは操作することになるわけです。

プレイヤーからすれば、「こいつを倒すぞ」と思っていたキャラを操作することになるわけです。おそらくほとんどの人は気が進まないでしょう。

復讐の果て

そんなアビーを操作する前なら、アビーには敵で悪役だというイメージしかないわけですが、プレイヤーがエリーを操作してそれまで手にかけてきた人々がアビー編では味方になっており、人間らしい一面が多く描かれるため罪悪感に苛まれることになります。

エリーの身も心も疲れ果てていく、そんな体験をエリーだけでなく、復讐する相手の目線からも描くという大胆な構成になっており、壮絶で虚しい、そんな印象を受けました。

それでも進めてしまう完成されたゲームプレイ

アクションアドベンチャー、そしてサバイバルホラーとしての完成度は非常に高く、4日間で一気にプレイしてクリアしてしまいました。20時間強。

正直、筆者はホラーゲームが苦手なので前作もあまり乗り気ではなかったのですが、本作はホラーよりもアドベンチャー&探索ゲームという印象が強かったです。
「明らかに感染者が潜んでるよなこれ・・・」と思う場面には必ずいる。

建物の中で様々な物を見つけてクラフトしたり強化したりといった部分は楽しかったですし、前作よりもマップが広くなっているので探索のしがいがありました。

プレイヤーが訪れることになるロケーションも非常に多く、内容が充実していました。

また、アクションに関してもかなり幅の広いプレイスタイルが可能で、手に汗握る緊迫した瞬間が連続し、全く飽きが来なかったです。個人的にはアンチャーテッド4よりも楽しめたくらいです。
近接戦闘時のカメラワークが見事で、ただ□ボタン押して敵に殴りかかっているだけでも相当な迫力があります。近接武器の種類によって微妙に演出が違うのも良い。

一方、個人的にステルスが苦手なので、すぐ見つかって乱戦になって敵を皆殺しにして終わるか、敵からひたすら逃げて追いかけて来られないところまで猛ダッシュするという感じになってしまいました。
ほとんど敵を避けて先に行けた箇所もありましたが、終盤あたりだとお手上げでした。上手い人はノーキルでもクリアできるのでしょう。

ゲームシステムが革新的かと言われると、前作とそこまで大きくは変わりませんが、より洗練されています。

プロットの問題点

個人的には、ラストオブアスパート2のストーリーそのものは悪いとは思いません。カタルシスを感じられるような物語ではないので好き嫌いが分かれるでしょう。

しかし、いくつかの点はストーリーを描く上で気がかりな部分がありました。

まず、エリーの恋人として登場するディーナですが、急に出てきた感が強い・・・。
出会いのシーンやこれまでの経緯がわかる回想を入れてくれれば良かったのですが、それがなかったので面食らった感じです。新キャラの説明不足感が否めない。
もう少しジャクソンの集落(?)で過ごす時間を作ったほうがよかったのではないかと思いました。ジェシーについてもそうです。

そして、本作ではプレイアブルな回想シーンが登場します。
この回想シーンは長いため、回想シーンが挿入されることでそれまでのストーリーへの集中が途切れてしまい、ついついエリーやアビーの旅の目的を忘れてしまいそうになることがありました。

暴力がもたらす「結果」を描いたゲーム

ストーリーを滑らかに語っていくという点ではとっ散らかっている印象があるのですが、本作で最も重要なのは、物語の一部始終にプレイヤーが関わっていて、その結果として血で血を洗うような事になっていくのを感じ取れることかと思います。

敵の兵士を殺すと仲間が駆け寄ってきて殺された兵士の名前を呼んだり、あるいはその前の段階で敵の兵士が楽しそうに話をしていたり。
世の中の多くのゲームでは雑魚敵の場合は人間であっても、無双ゲームのようにいくらでも湧いて出てくるやられ役でしかないわけですが、ラストオブアスパート2ではそういった兵士を殺した責任をエリーやプレイヤーが背負うように感じられます。

ラストオブアスパート2は「暴力」そのものではなく「暴力がもたらす結果」を描いたゲームだと感じました。ゆえに、本作のストーリーの真意はゲームの終盤から肌で感じられるようになっています。

エリーがギターを弾くのをプレイヤーが操作できる場面がいくつかありますが、物語の最後の最後でそれを象徴的に使っていたのは本作で最も巧い場面だったように思えます。(あまり言うとネタバレになるのでほどほどにしておきます。)

アビーが強烈すぎる問題

ラストオブアスパート2で特に気になった要素はアビーというキャラクターです。
ゴツすぎる・・・。兵士として戦うために鍛えているのはわかるのですが、女子レスリングの選手でもここまでムキムキではないような。
女性でここまで筋肉ムキムキにするって相当大変だと思います。
ましてやラストオブアスの世界は食糧はある程度貴重なはずで、プロテインをガブガブ摂取するなんてことは難しいでしょう。
また、WLFの他の女性兵士はマッチョではないですから、プレイしていて余計に違和感がありました。

マルチプレイがないのは残念

今作のゲームシステムはかなり良く出来ているので、余計にマルチプレイがないのが残念に感じられます。その分本編が長くなっているのですが・・・。

英語音声・日本語字幕でプレイするべし

筆者は、中途半端に英語が理解できるため、洋ゲーは基本的にはキャラクターが外国人なら英語でプレイします。ですので本作も英語音声でプレイしたのですが、英語のニュアンスが字幕の日本語で伝わりきっていない印象でした。
翻訳が悪いと言うよりは、登場人物が「Fワード」を多用するため、これが日本語だと雰囲気が伝わりきらない。

おそらく、日本語音声だとさらに本来の台詞のニュアンスが伝わりきらないのではないかと思います。

ゲームでなければ不可能な物語体験

通常、アクションアドベンチャーやアクションRPGは、カットシーンを中心にストーリーを描きます。これまでの多くのゲームでは、ストーリーテリングにおいてゲーム中の「ムービー」が最も重要な位置を占めることが多いです。

しかし、ラストオブアスパート2はプレイヤーが操作している時、つまりゲームプレイにストーリーテリングの重きが置かれています
本作のカットシーンも勿論重要ではあるものの、プレイヤーがキャラクターを直接操作し、敵を殺める事の重さや、緊迫した瞬間を主人公と同じように感じる事が物語の体験となっています。

感染者を利用して敵の兵士を倒すこともできる場面があり、人間の怨嗟の恐ろしさを感じる場面です。

このような体験の積み重ねがあるからこそ、終盤のシーンは非常に嫌悪感や不快感のあるものとなります。エリーがギターを弾くのもまさにそうです。

「映画のようなゲーム」という言葉がありますが、ラストオブアスパート2は全く映画のようではありません。なぜなら、プレイヤーがコントローラーで操作をしている時に最もストーリーを感じるためです。映画では不可能です。

筆者はここ2~3ヶ月で買ったゲームは途中で止まっているものが多いです。つまらないからではなく、なんとなく飽きてきたり他のゲームに目移りしたりしてしまっていたためです。
しかし、ラストオブアスパート2は久々に毎日ガッツリプレイしても飽きが来ずにエンディングを迎えたゲームでした。
個人的には、ストーリーに惹き込まれたというよりはゲームプレイに惹き込まれた印象でしたが、結局そのゲームプレイが一番ストーリーを語っていました。

様々なモノを失ったエリーは最終的に救われたのかどうか。それを問うのがThe Last of Us Part IIだったように思えます。

アビーを操作してエリーと戦うのをプレイヤーがためらうのは当然です。
しかし、ゲームの最後でエリーを操作してアビーと戦うことにプレイヤーがためらいを感じた時、それがこのゲームのストーリーテリングが成功した瞬間、そういった印象を受けました。
プレイヤーがアビーを倒すことをためらい、そしてエリーも2人を見逃す。復讐の連鎖が終わる瞬間です。

様々な要因を考慮すると、買ってよかったか?と聞かれれば「良かった」と答えますが、他人におすすめするかと聞かれると「人にる」と答える気がします。

最終評価

良作・フルプライスの価値有り

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