2023年8月3日に発売された「Baldur’s Gate 3」は買うべきか、実際に買ってプレイした筆者が向いている人や向いていない人を紹介します。
バルダーズゲート3は買うべき?
買う前にいったん待ってください。バルダーズゲート3は日本のRPGと違って、非常に玄人向けです。ゲームの仕組みがわかれば難しくありませんが、理解するまでは複雑で難しく感じるでしょう。
ドラゴンエイジやマスエフェクト、ディヴィニティのようなゲームが好きな人は買ってOKです。
筆者個人としてはかなり楽しく、それでいて凄いゲームと感じましたが、誰にでもおすすめできるゲームではありません。❌
バルダーズゲート3ってどんなゲーム?
バルダーズゲートはテーブルトークRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を原作としたRPGです。
1作目は1998年に、2作目は2000年に発売されました。
バルダーズゲート3は、バルダーズゲート2の120年後を舞台としていますが、1や2をプレイしていなくても全く問題ありません。3からプレイすればOKです。
バルダーズゲート3はターン制戦闘のRPGです。
ただし、ドラクエのような方式ではなく、フィールドの地形をそのまま利用して戦います。
主人公は自分で作った完全オリジナルキャラを使うこともできますし、予め用意されたキャラクターから選ぶこともできます。残念ながら、キャラメイクの項目はあまり多くありません。
クラス制なので、ウィザードやローグ、パラディン、モンクといった様々な職業の中から選ぶことになります。
基本的にフルボイスです。台詞には音声がついています。
洋ゲーらしく、会話には常にたくさんの選択肢があります。選択肢で展開が変化します。
選択は重要で、仲間になるキャラをあえて仲間にしなかったり、戦って殺してしまうという選択すら可能です。仲間との会話の選択肢にめちゃくちゃ悪口があったりするのも面白いです。
また、何かが成功したり失敗したりといったことは、キャラクターのステータスとサイコロの目で決まります。キャラクターのステータスが高ければ、サイコロの数字が低くても成功することがあります。
NPCとの恋愛要素もあります。
こんな人に向いてる
こんな人には向いていない
このゲームのどこが凄い?
クエストの攻略方法が一つではなくたくさんあることです。
会話で問題を解決することもあれば、NPCを殺してしまうことで解決したり、あるいは別の手段で解決したり、すべてプレイヤー次第です。
他のRPGにおける会話と戦闘の重要度の比率は3:7くらいですが、バルダーズゲート3では6:4か7:3くらいです。それだけ会話が重要なゲームです。
また、プレイヤーの能力によって解決方法も変化します。
とにかく「自分がこうしたい」という意思を反映させることができるゲームです。何もかも言いなりになるゲームではありません。「このキャラ嫌いだ」と思ったら敵じゃなくても殺せますし、魔法をかけて嫌がらせもできます・・・。それでもゲームが進みます。(ただし、ゲーム内で犯罪者として指名手配になるかもしれません)
あるプレイヤーにとってはゴブリンが敵となりますが、別のプレイヤーにとってはゴブリンが味方となる。そのくらい変化があります。
また、戦闘の戦略性も高く、例えば、床に油がばらまかれているところで炎の魔法を使うと爆発したりします。
プレイヤーの選択や決定によって予想していなかったことが起こる。それがこのゲームの醍醐味です。
自由度は高い?
高い方ですが、スカイリムほど自由なわけではありません。移動や探索の自由ではなく、ゲームの進め方が自由という感じです。
日本のRPGと比べると、自由にゲームを進めることができます。
特に「プレイヤーの判断」という部分の自由度が高いです。
会話の選択によって敵と戦ったり、戦わなかったり、NPCが協力的になったり、敵対的になったり様々な変化があります。
テーブルトークRPGを基礎としているため、サイコロを振って成功か失敗か決めたりします。
世界にいるほとんどのキャラクターと会話できます。
いつでもセーブでき、複数のセーブファイルを残せるので、気に入った展開でなければセーブした地点からすぐやり直せます。
オープンワールドゲーム?
オープンワールドゲームではありません。ただし、全てのフィールドがシームレスに繋がっています。
どんな戦闘?
ディアブロみたいな感じの戦闘をターン制にしたような方式です。
ディヴィニティ:オリジナル・シンのような感じです。
移動や攻撃をそのキャラクターのターン内に行いますが、1ターン1つの行動ではなく、1ターン内にポイントが許す限り複数の行動を取ることができます。
ドラクエのようなコマンド方式ではありません。
戦闘の難易度はかなり高いです。戦略的に行わないとあっという間に殺されます。
高所から敵を突き落としてダメージを与えたりといった戦略要素が多彩です。
グラフィックはどう?
そこそこ綺麗でリアルです。
日本のゲームと比べると、グロテスクなほどリアルに作られています。脳みそを頭蓋骨から抜き取るシーンがあります。
したがって、ゴア表現が苦手だと、ちょっときついかもしれませんが、そこまで心配する必要はないでしょう。
ただし、2023年のゲームの中では「普通」のグラフィックかもしれません。ゴッド・オブ・ウォーやホライゾンのような美麗なグラフィックからは一歩劣ります。
それでも、このタイプのゲームでここまでクオリティの高いものは珍しいです。
ボリューム
メインストーリー中心にさくさく進めれば50時間ほどでクリアできます。
レベルは12までしか上がりません。最高レベルが12というのはRPGではかなり低いと感じると思います。基本的にレベル上げのような作業は必要とせず、物語に沿って戦ったり戦わなかったりします。
他のRPGのようなレベル上げはありませんし、できません。敵と戦う状況が限られているためです。このゲームには雑魚戦というものがありません。
しかし、バルダーズゲート3の魅力はサブクエストにあるので、ほとんどの人はサブクエストが気になるはずです。そうすると、80時間程度かかる可能性があります。
分岐もあるので2周目をやる価値があります。そうすれば100時間は超えるでしょう。いずれにせよ、大ボリュームのゲームです。
ロールプレイの楽しさ
バルダーズ・ゲート3は「RPG」つまり、「ロールプレイングゲーム」の原点にある楽しさを感じられます。
主人公はこういう人物であると思ったら、プレイヤーはそういう行動を取ることができる。
例えば、脳筋キャラだから何もかも暴力と筋力で解決してしまう選択をすることもできるし、魔法使いの賢いキャラだと思うから、争いを避けて相手を巧みに誘導するような選択ができる。
主人公を悪人だと思えば、極悪非道な選択肢を選ぶこともできる。悪に協力することすらできてしまう。それがバルダーズ・ゲート3です。
「ロールプレイ」=「役割を演じる」。それをさせてくれるゲームです。
仲間キャラクター
バルダーズゲート3にはたくさんの仲間キャラクターが登場し、話しかけることができ、それぞれのキャラクターの過去を知ったり、悩みを聞いたり、RPGらしい「仲間」がいることの楽しさを感じることができます。
好感度があります。
仲間キャラクター同士でも関係性があり、敵対しているキャラクター同士をパーティに入れると問題が起こります。
ネトゲじゃないのにアプデしまくる
バルダーズゲート3の凄さはアップデートにもあります。
6月に海外でリリースされてから、既に5回アップデートを入れており、毎回規模も大きいです。
オンラインゲームというわけでもないのにアップデートを頻繁にしてくれます。
無駄な課金要素なし
将来DLCが出るかもしれませんが、現時点では課金要素は一切ありません。ゲームを買うだけです。
DLCが多種多様な課金アイテム、ガチャを販売するゲームが多い中、ゲームの代金だけ払えば全部遊べる。そういう点も評価されています。
神ゲー?
人によります。
かなり好みがわかれるゲームです。
このゲームは万人に受けようとして作られていません。
RPGに対する高い理解度や知識、あるいはシステムを学ぼうとする意思がないと、楽しめるようになるまでに投げ出してしまう可能性もあります。しかしそこを超えれば、他のゲームでは味わえないものがあります。
高い評価を受けている理由も納得できます。
バルダーズゲート3を気に入る人にはとことん合うし、合わない人は全く受け付けないでしょう。
PC版推奨
バルダーズゲート3はPC版を強くオススメします。
理由としては、マウス操作により、落ちているアイテムの識別や取得がしやすいことやワンクリックでの移動が楽だということなどが挙げられます。
また、ユーザーインターフェイスが使いやすいことも挙げられます。
PC版のHUDはごちゃごちゃしていますが、その分、呪文やアイテムを管理しやすいです。
表現規制が一切ないことが挙げられます。PS5の日本版は性描写や残虐描写、裸体の表現等がかなり規制されています。
さらに、PC版はフレームレートの上限がありません。60fps以上で安定して動作します。一方、PS5版は30fpsに固定されており、もっさりとした印象を受けます。
コメント