2020年1月からの新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクがネットで高額転売され、店頭からマスクが消え入手困難になるという事態に陥りました。
転売屋が最大の原因ではあるものの、仲介業者であるヤフーやメルカリもマスク転売騒動の一翼を担っています。
政府から言われるまでほとんど動かなかった仲介業者
コロナウイルスのニュースが増え始めた1月末時点で既にマスクが買い占められており、転売されるのは目に見えていました。中国でもマスクが品薄になったというニュースも出ていました。
過去にもインフルエンザでマスクが転売されたこともあり、ヤフーやメルカリといったサービス業の人間であれば、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクや消毒液といった医療品が転売されるのは予測可能です。
しかし、ヤフオクやメルカリは大問題になるまで動かなかった。
本来なら2月中旬頃にはマスクの転売が完全に禁止されるべきでした。
グッズやチケットの転売と異なり、買うのを我慢するだけではどうにもならない商品だからです。
3月14日なってやっと本当の意味で転売が禁止されるわけです。あまりにも遅かった。
ヤフオク、メルカリ、楽天フリマといった業者にもマスク入手困難という状況を作った責任があります。
政府の危機感のなさ
マスクの転売への批判がネット上で強まり出したタイミングでは、政府はこれといったアクションは起こしませんでした。「買い占めをしないように~」程度でした。
本来であれば、新型コロナウイルスが中国で感染拡大し始めた段階でヤフオクやメルカリ、楽天といった業者に対してすぐにマスクや消毒液の出品を禁止せよと通達を出すべきでした。
マスクが転売屋に買い占められているという状況を軽視していて、2月下旬になるまでほとんど具体策を講じていなかった。
ヤフオクでは2月5日に「必要な方が必要な量の~」という告知を出していますが、禁止したわけではありませんでした。
結果、マスクが不足するという事態に陥ったわけです。
そもそも政府がマスクや消毒液のような商品をネットで個人が出品できてしまう状況をなんとも思っていなかったのは杜撰だとしか言いようがありません。
転売自体が常態化している問題
このマスクに限らず、普段から転売はかなり問題視されています。
既にチケットに関しては転売は法律で禁止されていますが最近の話です。
一方で、マスク以外でも限定商品や販売数の少ない商品は大量に出品され、元来の購入希望者からの不満が噴出しているというのも長年問題になっています。
2017年にニンテンドースイッチが大量に転売されたのは記憶に新しいです。
こういった転売に対処するには法的措置を取る他ありません。
既にマスクや消毒液のような医療品の出品を法的に禁じる対策に向けて動きだしています。
転売には生産性がありません。経済と社会を狂わせているだけです。高い課税をするべきです。
ちょうちん買い。仕手株と転売は似ている
転売は買う側にも問題があります。
入手が困難になった古い商品にプレミア価格がつくといったことはそれほど問題ないのですが、マスクのような普段なら安価なものを高い値段で買うのはかなり愚かなことです。
マスクが高額になるというのは、需要が増えて値段が上がるというのは全く別だと考える必要があります。マスク自体が普段から花粉症や風邪等でかなりの需要があるからです。
マスク転売は株の仕手と同じ
「仕手」というのは株の用語で、株価を吊り上げて儲けることです。
上記のチャートは、仕手筋に狙われた株の値動きです。ドカンと上がったはいいもののその後暴落し、二度と高値に戻らなくなります。
おそらく新型コロナウイルスで転売されたマスクもこれと同じ値動きをすることになるでしょう。高値で買った人がバカを見ます。
本来は安い時に買って高い時に売らなければならないのに、安い時は見向きもせず高い時に買わされてしまうというのは人間のミスにありがちです。
ビットコインもまさにそうで、2017年末に200万円というとんでもない高値をつけた時にビットコインを買った大衆が多かった。しかしこのタイミングで多くの投資家達はビットコインを売っていった。
こういった値動きや噂、ニュースに惑わされて追いかけるように高値で買ってしまう人のことを株の世界では「提灯」(ちょうちん)と呼びます。
そして仕手筋は値段が上がったところで売り抜けて儲ける。
「いざとなったら必要になる物は誰も見向きもしていない安い時に買う」
これが一番賢い買い方です。
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