2022年2月10日からサービスがスタートしたスマートフォンゲーム「ヘブンバーンズレッド」をプレイした感想です。
「麻枝准」のシナリオが好きなら楽しめる
プレイして感じたのは、麻枝准氏がシナリオを担当したKeyのゲームの懐かしさを感じるストーリーです。CLANNADやリトルバスターズのゲームの日常パートのような印象を受けました。
ぶっ飛んだ選択肢が頻繁に出てきたり、ストーリーで飽きさせないのはさすがだと思います。
個人的には、これまでスマートフォンゲームのストーリーでまともに面白いと感じられたことが全くありません。原神をスマホゲーに分類できるなら原神のストーリーはそこそこ面白かったですが、他にストーリーが面白かったスマホゲーは思い浮かびません。
そんな中、このヘブンバーンズレッドはなかなか楽しいストーリーで飛ばさずに読みたくなりました。
ただし、世界観と敵に関する設定は未知数すぎて、評価しづらいです。
麻枝准氏のシナリオは少し癖があります。ストーリーやキャラの個性が自分の肌に合うかどうかがハマれるかどうかを左右するのではないでしょうか。
正直なことを言うと、運営型のゲームよりも一本の完結したビジュアルノベルとして物語を楽しみたかったかもしれません。
一部のキャラは個性をつけすぎ
Keyのビジュアルノベルと比べると、いかにもソシャゲに出てきそうな、個性的なキャラクターがいます。これらはキャラクターが薄っぺらく感じてしまうのであまり良い評価はできません。
ゲームシステムは至って平凡
戦闘はコマンド方式で3Dのキャラクターのアニメーションがあります。2022年ではそれほど驚くような戦闘システムではありません。
よくある、敵の弱点を突くタイプの戦闘です。当然のように自動戦闘があります。
ストーリーは気にせず強さだけを追い求めるタイプの人は飽きてしまうかもしれません。
特徴的な要素としては、他のキャラクターと主人公の交流という要素があります。ペルソナのコミュみたいなものでしょうか。
主人公達が過ごしている基地内を3Dキャラクターを移動させて様々な場所を訪問できるシステムがあります。ただし、移動が平面的です。3Dなのに2D的な動きしかできません。
この探索(?)システムの良いところは、話しかけなくてもキャラクターの声が聞こえてくる点です。
女性キャラクターしかいない設定は麻枝准氏の脚本を活かせるのか?
本作は「学園基地」を舞台にしていますが、アサルトリリィのように女性しか登場しません。作中の設定によると、男女で基地が分けられているためのようです。
麻枝准氏はこれまで恋愛アドベンチャーゲームを手掛けてきましたが、その中で面白い男性キャラクターをたくさん生み出してきました。CLANNADの春原、智代アフターの鷹文、リトルバスターズの恭介、真人、謙吾。リトバスは特にそれが顕著です。Angel Beats!はむしろメインキャラのうち男性が半分くらいを占めます。比較的新しい「サマーポケッツ」でも男キャラクターが面白いです。
ヘブンバーンズレッドのストーリーを読んでみると、主人公の茅森月歌は女性キャラクターですが、セリフにどこか男性的な印象があります。
麻枝氏が女性キャラのみの本作のシナリオでどこまでやれるかは注目です。
特に麻枝准氏が描く作品の世界には必ずといっていいほど秘密があります。それが本作でもあるのかどうかは気になります。
コメント