原神のニンテンドースイッチ版ってどうなった？

「原神（げんしん）」のニンテンドースイッチ版は2020年秋に発表されましたが、2023年現在、まだリリースされていません。すなわち、配信は予定しているがリリースできていない状況です。

いつ頃配信するのかも不明です。既に原神のサービス開始から2年半ほど経っています。

ニンテンドースイッチ版のリリースが遅れている理由

ハードウェアの性能が不足

「原神」はスマートフォンでも動作するので比較的負荷が低いゲームです。

しかし、高解像度なテレビや液晶モニターでやる場合はPS4（通常モデル）でもギリギリです。おそらく原神を液晶モニターでプレイするなら、PS5かゲーミングPCが推奨されます。

テレビと携帯モード両方を備えるSwitchの場合、ターゲット解像度は720pだと思われますが、意外とこれが厳しいのではないかと思われます。

原神はオープンワールドゲームでかなりメモリーを喰いますし、マルチプレイもあります。マルチプレイはCPUへの負荷を増大させます。

Switchは携帯モード時はPS4の半分以下の性能です。したがって、スイッチでも快適に動作して、なおかつ品質を保つというのは結構大変だと思われます。

ポケモンアルセウスはオープンワールドゲームですが、そのグラフィック品質を見ると、かなり無理をして実装している印象を受けます。オープンワールドでなおかつマルチプレイにも対応する原神のスイッチ版開発は困難を極めるはずです。

クソデカ容量

原神は非常にデータサイズが大きいゲームです。

PS5版が35GB、PC版が45GBあります。

今後新しい地域が実装されたら、さらに容量が増える可能性があります。

仮にSwitch版がリリースされた際には必ずSDカードが必要になるはずです。

Android版の推奨環境

原神のAndroid版の推奨環境は

Snapdragon 845またはKirin 810以上
4GB RAM

となっています。

Snapdragon 845の性能をニンテンドースイッチのTegra X1と比較すると、Snapdragon 845の方が優れています。

Snapdragon 845はPixel 3やXperia XZ3など2018年～2019年頃のスマートフォンに搭載されているチップです。最近のスマートフォンはもっと高い性能があります。

スマホでも動作することがスイッチ版の優先度を下げる

ニンテンドースイッチが発売されたのは6年前の2017年でそこから性能が上がることはありませんが、スマートフォンは毎年性能が上がっています。

iPhone 14やGalaxy S、Xperia 5 IV、Pixel 7のような最新のハイエンドスマートフォンは既にニンテンドースイッチよりも遥かに高い演算性能を有しています。iPhone 12の時点で既にSwitchより高性能です。例えばSnapdragon 888は、SwitchのTegra X1より3倍近い演算性能があります。

もちろん値段も高いですが、日常生活でも使うので高くても最新のスマートフォンを買う人は多いです。

原神は既に5000億円をスマートフォン市場で売り上げており、初期開発費は回収済みで、ニンテンドースイッチ版を急いでリリースしなければならない理由がありません。

いわゆる「ガチ勢」な人はゲーミングPCでプレイしています。

原神の売上の大部分を占めるのは中国市場であり、中国市場では家庭用ゲーム機はあまり普及しておらず、PCとスマートフォンが主流となっています。

したがって、今の原神のグラフィック品質下げて無理やりニンテンドースイッチでリリースすれば炎上しかねません。

「スマートフォンでプレイできる」ということはニンテンドースイッチ版の開発優先度が上がらない原因となっています。ニンテンドースイッチが最新スマートフォンに対して優位な点は、本体価格の安さ、コントローラーがある、テレビでもできることくらいです。

「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドは動くのに！」と主張する人もいるかもしれませんが、原神はブレスオブザワイルドよりも遥かに高品質なグラフィックです。ブレスオブザワイルドは草を三角にしたり、様々な工夫によって「見栄え」が良いように設計されていますが、それは途方もない努力が必要です。また、ブレスオブザワイルドはマルチプレイには対応していません。

もし、「あつまれどうぶつの森」がSwitchだけでなくスマートフォンでも発売されていたらスマートフォン版をプレイしたという人も結構いるのではないでしょうか。

いずれSwitch版が配信される

いずれにせよ、どこかの段階でニンテンドースイッチ版の配信は始まるでしょう。

ただ、miHoYoは１ヶ月半ごとに原神のアップデートを配信しているので、かなりのハイペースで開発をしています。

Switch版のためにリソースを割く余裕ができないと難しいかもしれません。