原神で「イファ」を演じる森久保祥太郎さんが降板することになりました。
その理由について解説します
ウイグルの朗読劇『命がけの証言』への出演が理由か
昨年、森久保さんは朗読劇『命がけの証言』に出演しました。
この朗読劇は中国政府から迫害を受けるウイグル自治区の人を描いた漫画が原作です。

降板は政治的理由
中国政府は同国の組織や企業が反政府的な人物あるいは反政府的な人物に関与する者を起用することを一切許しません。
簡単に言えば言論弾圧です。
一党独裁の中国で政府を批判することを公の場で発言すれば逮捕されかねません。日本とは違います。
中国の刑法には『国家分裂罪』というものがあり、中国共産党の国家統一を妨害する行為を処罰しています。過去にもチベットやウイグルの独立運動の活動家が逮捕されたことがあります。
中国からはYouTubeも見られません。なぜなら政府にとって不都合な「事実」を含む動画がたくさんあるからです。
中国政府が自治区で迫害を行っているのは周知の事実です。
この動画は、中国政府がウイグルの人々にどのようなことをしてきたのかを報じています。
しかし、中国共産党は中国における政府批判に繋がり兼ねない行為は封殺します。
したがって、「迫害の実態を描いた漫画を原作とした朗読劇に出演していたから」という理由で降板させられたのだと思います。
中国ではこのようなことは珍しくありません。
中国企業も、政府の逆鱗に触れかねない要素は排除せざるをえないというが実情です。起用を続ければ、企業の中の誰かが責任を取らされるでしょう。
ということで、森久保さんの降板は、過去の出演作品に絡んだ中国の政治的理由が原因だと考えられます。
これは理不尽な話ですが、国際社会が中国のウイグル迫害を見て見ぬふりをして制裁を行わないことにも問題があると言えます。事実上の共産主義国家である中国ではいくら国民が声を上げようが、現政権が転覆でもしない限り現状は変わりません。
もちろんこれは声優に限った話ではないでしょう。
中国企業に関係した作品の案件をユーチューバーや芸能人が取り扱う際に、少しでも中国政府を批判する発言をしたり、中国当局が触れられたくない話題を口にすれば、契約を解除されるというようなことは十分に考えられます。
天安門事件にふれるなどもっての他です。
こういった政治的理由が絡んだ騒動はゲーム業界で時々起こります。
例えば「ライズ・オブ・ザ・ローニン」というコーエーテクモのゲームがありますが、韓国では発売禁止になりました。理由はプロデューサーの発言が極右思想を美化していると韓国で批判されたためです。
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