最近「レイトレーシング(Ray Tracing)」という言葉がよく出てくるようになったかと思います。
PS5世代のゲームではレイトレーシングが使われることも増えてくるでしょう。
ではレイトレーシングとは何か。簡単に解説します。
簡単に言えば、レイトレーシングは光線を追跡し、その振る舞いをシミュレートして映像に反映させる技術です。
太陽やライト等の光源からの光は、物体に当たって反射したり屈折したり分散したり複雑な振る舞いをするわけですが、それを表現することができるのがレイトレーシングです。
レイトレーシング自体は古くからCG映画やプリレンダリングムービー等で使われてきましたが、膨大な計算が必要なため、リアルタイムの処理が必要なゲームでは不向きだとされてきました。
最近になりGPUの演算性能が向上し、さらにハードウェアがレイトレーシングをサポートすることで徐々にですが、レイトレーシングをゲームで利用できるようになってきました。
以前はゲームで反射を表現する際には「スクリーンスペースリフレクション」や「シャドウマッピング」といった技術を利用してきました。
これらの技術は「それっぽく光の反射を表現している」だけに過ぎず、レイトレーシングのように光線の本来の振る舞いを正確に表現しているわけではありませんでした。
逆に言えば、これまでのゲーム業界はレイトレーシングなしで綺麗に見せるためにうまいことやってきたと言えるでしょう。
レイトレーシングはとにかく処理が重い。将来的にはレイトレーシングを使うのが当然になってくる可能性がありますが、現時点では高性能なGPUでしか実現できません。
フレームレートや解像度が犠牲になる可能性があるため、全てのゲームがレイトレーシングを実装できるわけではないでしょう。
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