「PS5を縦置きにすると壊れる」という噂を一部のサイトが広めていますが、これはデマ(嘘)である可能性が高いと思われます。
文章を読むのが面倒な人は、下の動画を見たら良いかと思います。
「縦置きで壊れる」がデマである理由
2年間で報告数が少なすぎる
これが最大の理由です。
PlayStation 5は発売されてから2年が経っています。
しかし、その2年間で液体金属漏れが起きて故障したという報告はあまりにも少ないです。
設計上の欠陥は再現性がなければ欠陥とは認められず、単なる故障や不良品だと判断されます。
設計段階で十分な耐久テストが行われている
ゲーム機もその他の家電製品も、何日間も動作させ続けて故障が起こらないか検証する作業は執拗に行われます。
そうでないと、欠陥が見つかった際にリコールをしなければならず、企業に莫大な損失が発生したり、訴訟を受けたりするためです。
PS5も例に漏れず、製造前に十分な負荷検証が行われており、問題ないと判断された上で製造が始まっています。
特許が取得されている
ソニーは液体金属を密封して漏れ出ないようにする技術の特許を取得しています。
要するに、そもそも通常の使用方法でPS5のCPU周りの液体金属が漏出する可能性は極めて低いと考えられます。
液体金属はSoCのヒートシンクに挟まれた状態で密封されているため、粘性の高さと表面張力によって漏出の危険はかなり抑えられています。
液体金属が漏出した場合、基盤でショートが起こり、起動すらできなくなります。それだけ重大な故障であれば、SNSやウェブサイト上で故障の報告が目立つはずです。
欠陥を訴えるには消費者による証明が必要
縦置きによる液体金属の漏出が存在するのを証明するためには、何百台あるいは何千台ものPS5を縦置きで稼働し続け、実際に液体金属が漏れるのかを確認する必要があります。
民間修理業者という怪しすぎるソース
この件の情報元が海外の民間修理業者だとされています。
しかし、公式のサポートではなく民間修理業者に修理を依頼している時点で怪しすぎると言わざるをえません。
自分で分解して公式のサポートを受けられなくなったPS5の修理を修理業者に依頼している可能性があり、依頼者自ら破損を起こした可能性を否定できません。
さらに、ソースとされている人物の一人は前科、つまり犯罪歴があり、信用できるとは到底思えません。
海外の大手メディアは「縦置きでも問題ない」
海外の大手ニュースサイト「Kotaku」は、「Short answer? Based on what’s known right now, yes. It’s safe.」(簡潔な回答?今わかっていることに基づくのであれば、縦置きは安全です。)
と記事にしています。
考えられる可能性は?
液体金属漏れが起こる可能性は
- 製造段階で発生した不良品
- 輸送中の衝撃など、外的要因によって破損した
- PS5の起動中や電源停止直後に本体を激しく動かした
- 意図的に破壊した
のいずれかであると推測できます。
どんな製品も製造段階で不良品が混ざる可能性があり、10万台に1台くらいの割合で不良品を引いてしまう可能性はありますが、保証期間内でも期間外でもサポートに連絡すれば修理あるいは交換してもらうことが可能です。
PS5のゲームを遊んでいる最中や電源停止直後に本体を動かすのは危険
PS5のゲームを遊んでいる最中や本体の電源停止直後は、SoCの温度は非常に高くなっています。
したがって、温度が上がった液体金属の粘度も低下した状態になっています。
そんな状態でPS5本体を激しく動かしたりすると、液体金属が移動して損傷の原因になる可能性は考えられます。
縦置きよりむしろホコリの方が故障を招く
PS5を縦置きにしたら壊れる可能性は無視できるほど低いですが、埃を掃除しないまま稼働させると故障する可能性があります。
埃が内部に堆積すると、冷却が不十分になる場合があるので、1年に1回は掃除した方が良いでしょう。Googleで「PS5 掃除」で検索すると良いかと思います。
横置きのメリットは
横に置いた時の利点ですが
単純に安定します。地震が起きても倒れません。
また、ブルーレイディスクの回転も安定します。縦置きだとブルーレイディスクが回転する際に上下の振動が発生する可能性があります。
さらに、冷却ファンの回転も安定します。
したがって、横置きだと余計な振動を減らすことに繋がります。
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