最近「Play-to-Earnゲーム」(プレイトゥアーン)という言葉を耳にした人もいるかもしれません。
直訳すると「遊んで稼げるゲーム」です。普通は課金するなどしてお金を使うのがゲームですが、P2Eゲームはプレイすると報酬として仮想通貨やトークン、NFTなどを受け取ることができ、プレイすると実質お金を稼ぐことができます。
P2Eゲームのカラクリ
ゲームサービスはお金を稼げなければ運営を続けることができません。それなのになぜお金が貰えるのか?と誰もが考えると思います。
まず、ほとんどのP2Eゲームは初期費用がかかります。
P2Eゲームでは、独自のトークンを一定額購入し、それを支払うことでキャラクターが作成できるというのが一般的です。
稼げる=他の誰かがトークンを買ってくれる
そもそもP2Eゲームが「稼げる」と謳っているのは、ゲームで入手したトークンを取引所等で売却できるという意味です。中にはメジャーな仮想通貨を直接渡してくれるゲームもありますが、金額は知れています。
たとえば、P2Eゲームで人気の「Axie Infinity」は、ゲームをまともに始めるには10万円程度が必要とされています。SLPというトークンを取引所で購入し、そのSLPを使ってAxie Infinityを始めることになります。
既にゲームでSLPを稼いだプレイヤーたちは取引所でSLPを売りにだします。そうやって売りに出されたSLPを新規参加者が買うことになります。
下の画像はSLPの価格チャートですが、2021年春~夏にかけて高騰したものの、その後は下落を続けています。
![](https://closedalpha.com/wp-content/uploads/2022/01/SLP_ALL_graph_coinmarketcap.jpg)
多くの、というよりほぼ全てのプレイヤーはお金を稼ぎたくてAxie Infinityをプレイしていますが、ゲームで入手したトークンを大勢が売りに出すために、購入者(新規参加者)の需要を遥かに超える供給量となり、価格はどんどん下落していきます。
Play-to-Earnゲームでプレイヤーが稼げるカラクリは
- P2Eゲームを始めるためにトークンが必要
- 新規プレイヤーは取引所でトークンを買う
- 既存プレイヤーはゲームを遊んでトークンを入手する
- 入手したトークンを新規ユーザーあるいは単に取引所でキャピタルゲインを狙ってトレードしている人に売りつける
こういった流れになります。
後続は損する可能性も?
初期費用がゼロの無料ゲームなら心配ありませんが、Axie Infinityのように初期費用がかかるP2Eゲームでは、後続のプレイヤーが圧倒的に不利になります。
プレイヤーが同じペースで増え続けているなら価格は維持できますが、普通はある程度時間が経つと新規プレイヤーが右肩下がりで減っていきます。これにより、トークンの需要が減るので価格は下がる一方で、取引所へのトークンの供給量は増えるので、価格の下落により後続のプレイヤーは稼ぎづらくなっていきます。稼げないゲームだと判明すればさらに新規が減るので悪循環に陥ります。
そして最終的にはアクティブプレイヤーが減っていき、新規プレイヤーも減り、ゲームが終わりを迎えます。後の方で始めたプレイヤー達は初期費用を回収できずに損をすることになりかねません。
運営会社はどうやって儲けている?
運営会社は一番最初の段階でユーザーにトークンを販売します。ある程度期待されているゲームならこの段階で開発費のほとんどを回収できます。
そしてサービスが始まると、「稼げるゲーム」として宣伝して人を集め、トークンの価格が上がったところで運営会社が保有しているものを少しづつ売却します。これを繰り返すことで利益を得ることができます。
また、トークンの交換時にかかる取引手数料で運営会社が利益を得ることもできます。
P2Eゲームは避けるべき?
結論から言うと、ゲームプロジェクトを吟味し、始めるタイミングを間違えなければある程度稼ぐことはできるかもしれません。
しかし、トークンを売り抜けるタイミングを間違えると原資を回収できずに終わってしまうリスクもあるので、初期費用がかかるP2Eゲームを始める際には注意が必要です。
普通に仮想通貨を購入するのと同じで、高値で掴まされて安値で投げ売りさせられると損します。
「Play-to-Earn」であることは宣伝の一種である
P2Eゲームであるということは、基本プレイ無料であるのと似ていて、一種の宣伝のようなものです。
「プレイして稼げる」ということに惹かれてゲームに興味を持ってもらうのが第一にあります。
P2Eにすることでプレイヤーを集めて、ゲーム自体の魅力でプレイヤーに楽しんでもらうことができれば、稼ぎたい人と楽しみたい人の両方が満足し、運営会社もそれで利益を上げることができます。
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