任天堂が「パルワールド」の開発会社であるポケットペアを特許権侵害で訴訟しました。
著作権侵害ではなく、特許権侵害というのには違和感しかありません。
パルワールドがリリースされた当初、デザインの類似性を指摘する声が多く上がりました。
つまり、モンスターが「似ている」という指摘です。
その場合、著作権侵害で訴えるのが普通です。
しかし、今回の訴訟は特許権侵害。
ということは、任天堂側はパルワールドが著作権を侵害していないと認めたようなものです。
ポケットペアを著作権侵害で訴訟しても勝てる見込みがないと判断し、特許権侵害に切り替えたということになります。
任天堂はゲーム関連の様々な特許を取得しており、過去には白猫プロジェクトのコロプラを訴えたことがあります。
ゲームソフト開発関連技術の特許を主張する行為には問題があります。
たとえば、マインクラフトがドラゴンクエストビルダーズを訴えたりすることはありません。
フロム・ソフトウェアが、ソウルライクと呼ばれる他のメーカーの似たようなゲームを訴えることもありません。
グランド・セフト・オートを作ったロックスター・ゲームスが、他のオープンワールドゲームを訴えることもありません。
ゲーム業界では、基本的に成功した他社のゲームのシステムを真似るのは普通です。ストーリーからキャラデザまで完全に真似てしまえば著作権侵害ですが、アイデアを真似ても違法ではありません。
「ドラゴンクエスト」も、アメリカの「ウルティマ」というゲームを真似て作られたものです。
今回の訴訟は、単純にポケモンと競合しかねない「パルワールドを排斥したい」という任天堂の思惑だけで行われた可能性が高いです。
パルワールドはSteamとXboxでリリースされ、2000万人が遊んだとされています。
もし、パルワールドがポケモンシリーズを模倣したというのなら、著作権侵害訴訟を起こせばいいのです。
コナミが「ウマ娘」のサイゲームスを訴えたのを思い出す人もいるでしょう。
あれも結構理不尽な話です。
ソシャゲでおなじみの「ガチャ」、これを最初に作ったメーカーがゲームにおけるガチャの特許を取って、他のメーカーを特許侵害で訴え、サービスを終了しろと迫ったら、おそらく世の中の多くの人はパテントトロールだと憤慨するでしょう。
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