「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のアニメと原作小説の違いを解説。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは2016年に原作小説が発売され、その後2018年にテレビアニメ化、2020年に劇場版が公開されました。
原作小説とアニメは異なる部分が多いです。この記事ではアニメを見た人に原作小説との違いを紹介します。軽くネタバレがありますが、物語の核心には触れていません。
原作ではヴァイオレットは武闘派な「超人」として描かれている
原作小説では、ヴァイオレット・エヴァーガーデンは「超人」のように描かれています。アニメではその部分はかなり控えめに描写されていますが、小説では幼少期のヴァイオレットが死刑囚と戦って全員を殺害するシーンがあったりします。
原作小説はほんの少しファンタジックな要素があり、銃を装備した兵士相手に戦斧で応戦するようなシーンがあり、いかにヴァイオレット・エヴァーガーデンという人物が武闘派で超人的な強さがあるかという事がたくさん描かれています。
アニメではヴァイオレットが軍を辞めてからは基本的に穏やかなエピソードが多いですが、原作小説では謎の教団に監禁されている女性を1人で救出したり、コートの下に大量の武器を隠して仕事に向かったり、戦場で代筆の仕事をしたり、ヴァイオレットの強さと浮世離れした部分が強調されていることが多いです。
また、原作小説ではヴァイオレットが飛行機から飛び降りてパラシュートなしで無傷で着地したり、超人的な一面を多く見せます。
小説家の話の違い
ヴァイオレット・エヴァーガーデンのアニメで、湖の畔に住む小説家の男・オスカーの話がありますが、原作小説の一番最初のエピソードを元にしています。しかし、アニメと小説で内容は少し違います。
原作小説では代筆にやってきたヴァイオレットをオスカーは本当に「機械人形」だと勘違いします。しかし、ヴァイオレットが水面を走ろうとして湖に落ちた後、オスカーは服を着替えているヴァイオレットを見て腕が義手であるとわかり、自分が勘違いをしていた事に気づくという話になっています。
原作小説はヴァイオレットが武闘派で強い事を活かす話が多い
アニメと比べると原作小説は戦闘シーンが多いです。
アニメだと、なぜヴァイオレットが子供の頃に軍にいるのかイマイチ腑に落ちないと思います。
原作小説だと、ヴァイオレットはある島で幼い頃から少年兵として訓練され、ギルベルトの兄、ディートフリードの部隊を壊滅させるほどの強さを持っているという事ががっつりと描かれています。ヴァイオレットの漫画のキャラクターのような常人離れした強さ、それを戦争に活かすために軍に入れられています。 原作小説のエピソードを読むと、ディートフリードが自分の部下を殺したヴァイオレットの命を軽く扱うのは理解することができます。
武闘派であるというのはヴァイオレットの同僚たちも同じで、原作小説ではベネディクトやカトレアですら武芸に通じています。なお、小説のカトレアはアニメよりもやや子供っぽいです。
↑の画像のシーンは、ヴァイオレットが戦地にいる兵士から代筆を頼まれるという話で、アニメ版にはありません。戦闘が行われている地域にヴァイオレットが身一つで乗り込むというぶっ飛んだ話です。息絶えようとしている兵士の遺言を代筆することになります。
原作小説の終盤の長編は、敵国の残党兵との戦いがたっぷりと描かれています。
ただし、全てがバトルの話というわけではなく、アニメの6話や10話のようなエピソードもあります。しかし、アニメの10話、アン・マグノリアの話で言えば、原作小説ではアンが指で銃の形を作って撃つ真似をした時に、脇を閉めないと反動に耐えられないとヴァイオレットが真面目に答えるシーンがあったりします。
アニメはオリジナルエピソードが多い
アニメは大部分がオリジナルです。原作小説を基にした話もありますが、細かい部分を含めれば7割は違うと言っても良いかもしれません。
アニメ版のヴァイオレット・エヴァーガーデンはリアリティ重視と言えます。飛行機からパラシュート無しで飛び降りたりしません。
原作→アニメの変更は、視聴者層を広げる事に一役買っていると考えられます。
ギルベルトとの再会も異なる
原作小説とアニメではギルベルトとヴァイオレットの再会の仕方が違います。ネタバレになるので詳しくは書きません。
原作小説は・・・
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの原作小説は簡潔に説明するなら、元軍人で両腕が義手の少女が、代筆屋の仕事をしつつも軍人時代の性質が直りきっておらず、その超人的な身体能力でどんな無茶もやってのけるという感じです。
もちろんギルベルトを探しているというのは同じですが、小説におけるヴァイオレットはアニメよりも飄々としたキャラクターに感じます。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの小説は普通に面白いのでオススメです。ヴァイオレット・エヴァーガーデンのアニメを見た人は、アニメのストーリーは一旦忘れてから小説を読むことを推奨します。
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